ヨハネスブルグから次の目的地へと向かう移動手段として選んだのが、南アフリカのリージョナル航空会社・Airlink(エアリンク)が運航する4Z871便。今回のフライトは、ORタンボ国際空港(JNB)から、南アフリカ北東部にある小さな空港、フードスプルート空港(Hoedspruit / HDS)へ向かう国内線の搭乗記です。
この空港自体は小規模ながら、周囲にはクルーガー国立公園をはじめとした自然保護区が点在しており、サファリ目的の旅行者が多く利用する拠点のひとつ。私たち自身もこの便を利用して、空港近郊に位置する「カパマ私営動物保護区(Kapama Private Game Reserve)」でのサファリ体験へと向かいます。
今回のAirlink 4Z871便では、そんなサファリ路線ならではの様子を含め、短距離ながら印象に残るフライトを紹介しますので、サファリ旅行を悩む方へのきっかけになれば嬉しいです。
- 搭乗日 / DATE
2025年1月26日 - 航空会社 / AIRLINE
エアリンク / Airlink - 便名 / FLIGHT NO.
4Z 871 - クラス / CLASS
エコノミークラス(Y) - 出発空港 / DEPARTURE
JNB・OR Tambo Intl(10:30) - 到着空港 / ARRIVAL
HDS・Hoedspruit Air Force Base(11:25) - 飛行時間 / FLIGHT TIME
55 mins - 機種 / TYPE
Embraer ERJ-190(E190) - 機体番号 / REGISTRATION
ZS-YAK

ハネスブルグ国内線ターミナルへ|2階ルートが快適な理由
シンガポール航空SQ478便でヨハネスブルグに到着したあと、約4時間とやや長めの乗継時間を経ての出発となりますので、焦らずに空港移動をしていきたいと思います。アフリカ内での初めての国内線ということもあり、空港でのチェックインや搭乗手続きにも何か独特の雰囲気が感じられます。
国内線ターミナルBへ|スムーズにたどり着くためのコツ
ORタンボ国際空港(JNB)で国際線から国内線に乗り継ぐ際は、2階の連絡通路を使ってターミナルBへ向かうルートが最もスムーズです。理由は明快で、1階の一般エリアには非公式な案内人が多く、場合によっては空港のIDを所持していない人物から高額な案内料を請求される(いわゆる“ぼったくり”)ケースも報告されているからです。
一方で、ターミナル内にいる案内人はIDを身につけた空港スタッフで、サービスの一環として乗継案内などを行っています。ただし、たとえ短距離の案内でも案内後にチップを求められるのが一般的なので、必要がない場合は立ち止まらずに目的地まで進むのが安心です。

Airlink(エアリンク)の国内線はターミナルBから出発。チェックインは有人カウンターで行われ、スタッフの対応も丁寧でした。フルサービス寄りの運航スタイルのため、受託手荷物も無料で預けられるのがありがたいポイントです。

プライオリティパスで入れる国内線ターミナルのラウンジとは?
ヨハネスブルグのORタンボ国際空港・国内線ターミナルBには、プライオリティパスで利用できるラウンジが2か所あります。トランジットの待ち時間を有意義に使うには、ラウンジの存在はとても大きなものです。以下、それぞれの特徴を簡単にまとめてみました。

どこにしようかな


ラウンジ比較表
ラウンジ名 | ORT Sky Lounge | Bidvest Premier Lounge |
---|---|---|
所在地 | 保安検査後、右折してエレベーターで4階へ | 保安検査後、スイートショップ裏の下階へ |
営業時間 | 04:30〜21:00 毎日 | 05:00〜21:00 平日は04:30開始の場合もあり |
設備 | 軽食・ドリンク、Wi-Fi、新聞・雑誌、TVなど | シャワー、軽食・ドリンク、Wi-Fi、新聞・雑誌、TV |
雰囲気 | コンパクトで静か、出発ゲート近くで便利 | 設備充実、やや広め、サービスの質も高い |
Bidvest Premier Loungeを選んだ理由
今回私たちは、シャワー設備があるという理由で「Bidvest Premier Lounge」を選びました。
10時間を超える国際線フライトを終えた早朝の到着後、そのまま国内線でさらに移動し、到着地ではすぐにサファリが待っている——そんな旅の流れの中で、機内での疲労をシャワーで洗い流せるのは何よりの希望でした。湯加減も水圧も申し分なく、清潔なバスルームでしっかりリフレッシュ。これだけで1日の満足度が変わります。
さらに印象的だったのが、ラウンジスタッフの陽気さと優しさです。受付でもラウンジ内でもフレンドリーに対応してくれて、南アフリカへの緊張感がふっと緩むような温かさがありました。
そして、ここで驚いたのが食事のクオリティ。温かい料理に加えて、フレッシュなフルーツやサラダ、パンも種類が豊富で、コーヒーも美味しい。正直に言って、日本の国内線ラウンジは南アフリカと比べると完敗です。
日本の多くの国内線ラウンジでは、せいぜいソフトドリンクやスナック程度。とても「食事ができる空間」とは言えません。それがこの南アフリカのラウンジでは、シャワーもあり、しっかりした朝食もあり、くつろげるソファまで完備。「これが国内線ラウンジ?」と疑うほどの充実ぶりで、トランジットの時間があっという間に過ぎていきました。
エアリンク 4Z871便に搭乗
4Z871便 搭乗の様子
搭乗ゲートへ


Bidvest Premier Loungeで直距離移動の疲労をしっかり取った後、美味しい朝ごはんをしっかり食べた私たちは、地上階にある国内線ターミナルBのE6番ゲートへ向かいます。
E6番ゲートはバスゲートです。Airlink(エアリンク)は様々な種類のリジョーナルジェットを所有しているため、バスゲートの需要は非常に高く、ゲート前は多くの観光客で混雑しています。
欧米系の方がとても多い印象で、特にイギリス英語を話されている方が散見されます。


空港内からバスに揺られ、飛行機の真横まで移動して、タラップを上っての搭乗となりました。最近はボーディングブリッジを使う機会が多かったので、ひさしぶりに飛行機の全体を間近で見られるのが新鮮です。
今回搭乗した機材
機材はAirlink(エアリンク)の主力機であるEmbraer 190(E190)。2−2配列の座席は小型機ながら圧迫感はなく、ゆとりある空間を全体的に感じられる印象がある機材です。日本国内ではJ-AIRが採用していることで有名です。



翼の鳥かわいい!




私たちの座席は13Aと13C。全長の真ん中付近に位置するため、主翼の上になることから窓からの眺めは限られるものの、比較的揺れが少ない位置で快適に過ごすことができます。
4Z871便からの眺め
Airlink(エアリンク)4Z871便は低高度での飛行が多いため、機窓からの景色をより間近に楽しむことができます。ヨハネスブルグを離陸後しばらくしてから、大地が広がるアフリカの自然と都市のコントラストが窓越しに広がります。



広大すぎる!!!


私たちの座席は主翼後部の位置にあたるため、視界は若干限られていたものの、眼下に広がる大地は十分に確認できる眺めです。都市部を抜けていく機体の動きに合わせて、徐々に自然豊かな景色が広がっていく様子は、アフリカならではなのではないでしょうか。
座席(エコノミークラス)の紹介
今回搭乗したAirlink(エアリンク)4Z871便のエコノミークラス座席は、Embraer 190(E190)ならではの2-2配列で設計されており、中央席がないことで隣との距離感も心地よく感じられます。リージョナルジェットながら、シートピッチや座席幅も十分な広さが確保されており、国土の大きい南アフリカ国内線の移動でも快適な時間を過ごすことができます。




今回のフライトでは主翼の上にあたる座席を利用しましたが、機体のバランスが安定しているため、揺れも少なく、穏やかな空の旅を楽しめました。各座席には機内エンターテイメント用モニターは搭載されていないものの、読書や会話を楽しむには十分な静かさと落ち着きがあります。
なお、USBポートやコンセント類は設置されていないため、必要に応じてモバイルバッテリーを準備しておくのがおすすめです。
項目 | 詳細 |
---|---|
シート配列 | 2-2 |
シートピッチ | 約31インチ(約79cm) |
シート幅 | 約18インチ(約45cm) |
モニター | なし(機内エンタメは非対応) |
電源・USBポート | なし(モバイルバッテリーの持参がおすすめ) |
機内食とドリンクサービス
今回のAirlink(エアリンク)4Z871便(ヨハネスブルグ → フードスプルート)のエコノミークラスでは、短距離フライトながらなんと軽食とドリンクのサービスが提供されました。
短距離でも嬉しい軽食サービス


フライト時間は約1時間なのですが、南アフリカの国内線にも関わらずペストリーとボトルでのミネラルウォーターの提供があります。地方路線とは思えない丁寧なサービスにとても好感が持てました!
もし日本の航空会社が、Airlink(エアリンク)のように、たとえ短いフライトであっても普通席の乗客に無料で軽食を提供してくれたら、どれほど日本の空の旅が豊かになるでしょうか。しかし、現実は色んな制約や課題があるのが日本の現状です。
フードスプルート空港(Hoedspruit / HDS)到着
着陸に向けて
あっという間に4Z871便は徐々に高度を下げ始め、窓の外には夏の陽光を浴びて生い茂る豊かな草木が広がるサファリの大地が広がります。
まっすぐな地平に緑鮮やかな木々や草原が一面に広がり、まさに生命力あふれるアフリカの自然を感じさせます。山々が切り立つ日本の風景とは大きく異なり、この視覚的な違和感が遠くまで来たんだなという、良い刺激に変わりますよね。
運が良ければ、飛行機の降下中に野生動物が見られるかもしれないということで、双眼鏡はしっかり準備して挑みました。



双眼鏡を手に野生動物を空から探したけど見つけられず!




そして、ついに着陸。滑走路に降り立った瞬間、窓の外に見えるのは——木、木、木。見渡す限り、ただひたすらに木ばかり。建物らしい建物もほとんど見えず、「え、ここが空港?」と思わず呟いてしまうほど、本当に何もない場所に到着するのです。



本当に滑走路があるか正直ちょっと不安になった(笑)
小さすぎる手作り感満載の可愛い空港
飛行機は沖止めされ、タラップを降りると、そこはもう大自然のど真ん中!


乗客たちは、飛行機から降りたあと、なぜか煉瓦でできた可愛らしい小道をてくてく歩いてターミナルへ向かいます。ターミナル……というより「え、小屋?」と思ってしまうような、手作り感さえ感じる雰囲気に「ここ本当に空港なの?」と何度も確かめたくなります。



公園の道やん・・・




建物(ターミナル)の中に入ると、さらに驚きが。案内表示のフォントがどこから探してきたのか分からない手書き風のデザインで、思わずクスッとしてしまいます。



制限エリアの概念は・・・?
到着導線に大きな進化が!
ターミナルの中には、なんと大手の回転寿司屋さんよりもそう距離が短いであろう小さなカルーセルが一つだけ設置されていました。
他の方のブログを見ていると、以前まではコの字型に荷物を並べて置くだけのスタイルだったそうですが、今回訪れた時には立派な(?)カルーセルが導入されており、空港としては大きな進化を遂げた様子です。




とはいえそのカルーセル、外とゆるやかにつながっていて、扉もなく、風通し抜群。
荷物を待つあいだ、私たちはそのまま外に出て、木々に囲まれたターミナル前で記念撮影を楽しんでいました。空港というより、ちょっとした郊外の観光案内所のような雰囲気です。



雰囲気最高!空気がおいしい!
さいごに
今回搭乗したAirlink 4Z871便は、ヨハネスブルグ・ORタンボ国際空港(JNB)からフードスプルート空港(Hoedspruit / HDS)までを結ぶ、わずか1時間ほどの短距離フライトでしたが、天候にも恵まれ、大きく揺れることなく終始穏やかな飛行が続きました。
機内サービスは最小限でしたが、しっかりとしたサービスが提供され、フレンドリーな空港職員と乗務員の対応により、機内で最後まで快適に過ごすことができました。国内線とはいえ、アフリカの大地を上空から望む時間は特別なものです。上空から眺める緑豊かな風景に、これから始まる私営保護区での滞在への期待がぐっと込み上げます。
そして意外だったのが、地方路線とは思えないほどの高い搭乗率です。観光シーズンということもあり、サファリリゾートに向かう旅行者でほぼ満席。国内線とはいえ、アフリカ大陸でのサファリ観光の人気の高さを実感しました。
荷物を受け取った後は、リゾートのスタッフが手に持つ出迎えボードの中から、自分たちの名前とリゾート名とを探します。
ずらりと並んだ看板の中から、目当てのロッジ名を見つけた瞬間、旅がぐっと現実味を帯びてきて、心が高鳴る瞬間です。


次回の記事では日本から、そして日常から遠く遠く離れたこの地で、これからどんな景色や動物たちと出会い、どんな体験をするのか——そんな期待に胸を膨らませながら、サファリリゾートへと向かいます。宿泊したロッジの詳細や滞在の様子、そしてサファリリゾートのメインイベントであるゲームドライブ(サファリドライブ)を回数分けてご紹介します。
どうぞ、お楽しみに!
搭乗記について
飛行機に関する他の搭乗記録を同ブログで紹介しています。
お時間がありましたら是非併せてご覧ください。
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